赤ちゃん用ミルクだけで生活できる?

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完全栄養食のサプリメントやドリンクのみで生活している人がいるという記事を読んだときに、
「赤ちゃん用ミルクは栄養満点だから、大人の食事を置き換えることも可能なのでは?」と考えた。
今回はこの疑問を、食の楽しみを度外視して、カロリーや栄養素の観点から真剣に考えてみます。

カロリー面で考えるとどうなる?

まず、大人が1日に必要なカロリーを赤ちゃん用ミルクだけで賄うにはどれくらいの量が必要なのか計算してみました。
目安となる活動量の少ない成人の1日のカロリーは以下の通りです。
・30~49歳の女性: 約1,750kcal
・30~49歳の男性: 約2,350kcal

赤ちゃん用粉ミルク「ぴゅあ」は100gで514kcal。これを元に必要な粉ミルク量を計算してみました。
・女性: 約340g
・男性: 約457g
の粉ミルクが必要となる。

さらに、粉のみを食べるのは難しいという方に、飲み物として摂取する場合も考えました。粉ミルク2.6gで20mlのミルクが作れるため、必要な量は以下の通りです。
・女性: 約2,615ml(約2.6リットル)
・男性: 約3,515ml(約3.5リットル)

1日3リットル以上の水分を摂取すると「水中毒」のリスクがあるため、男性はリスクがありますが、女性は実現可能そうです。

栄養素の観点から見ると?

1日に必要な栄養素は色々あるが、今回は三大栄養素である「タンパク質、脂質、炭水化物」で考えていきます。

①タンパク質
30~49歳の推奨される1日のタンパク質は、
・女性: 40g
・男性: 50g
赤ちゃん用ミルク「ぴゅあ」では、粉ミルク100gでたんぱく質が11.7g取れるため、
必要カロリー分を摂取すると、
女性: 粉ミルク340g÷100g×11.7g≒40g
男性: 粉ミルク457g÷100g×11.7g≒53g
となるため、たんぱく質の面からだと問題なさそうです。

②脂質
30~49歳の推奨される1日の脂質は、
・女性: 56.0g
・男性: 66.2g
赤ちゃん用ミルク「ぴゅあ」では、粉ミルク100gで脂質が27.8g取れるため、
必要カロリー分を摂取すると、
女性: 粉ミルク340g÷100g×27.8g≒95g
男性: 粉ミルク457g÷100g×27.8g≒127g
となり、女性は約1.5倍、男性は約2倍、過剰に摂取することになり、肥満や生活習慣病のリスクが高まる可能がありそうです。

③炭水化物
30~49歳の推奨される1日の炭水化物は、
・女性: 111.5g
・男性: 112.45g
赤ちゃん用ミルク「ぴゅあ」では、粉ミルク100gで炭水化物が55.4g取れるため、
必要カロリー分を摂取すると、
女性: 粉ミルク340g÷100g×55.4g≒188g
男性: 粉ミルク457g÷100g×55.4g≒253g
となり、女性は約1.5倍、男性は約2倍、過剰に摂取することになり、脂質同様リスクがありそう。

最後に

カロリーや栄養素の観点から見ると、赤ちゃん用ミルクだけで生活することは理論上可能かもしれません。
しかし、以下のリスクがあります。
・水中毒の可能性(特に男性の場合)
・脂質・炭水化物の過剰摂取による肥満や生活習慣病リスク
・食の楽しみがなくなることで精神的な負担が大きい
個人的には、3食同じ味の液体を飲むだけの生活は到底耐えられそうにありません。みなさんも、あくまで机上の考えとしてとどめてください。

参考情報

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」

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